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Percussion Works for Echo

第二回 清水チャートリー作曲個展

 

2015年6月28日(日)

開場13:30 開演 14:00

紀尾井小ホール (東京)

 

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Program:

 

開演ベル (2014) for tape

 

四季と雲海 III (2014) for shō and percussions

 

不能の哲学 (2014) for two percussionists (World Premier)

 

四季と雲海 IV (2015) for contrabass and percussions (Japan Premier)

 

Shinkaigyo (2012) for tape

 

ミミヲフサゲ! (2015) for two metal percussionists (World Premier)

 

 

 

Perc.

 Percussion Duo Echo

 (橋村あい/柳川侑那)

 

Cb.

   広永瞬

 

   真鍋尚之

 

 

作曲・企画

   清水チャートリー

Percussion Works for Echoについて

 

 1917年、マルセル・デュシャン(1887-1968)の最も有名な作品、《泉》がニューヨーク市内で行われた独立芸術家協会主催の展覧会に出展され、審査員に展示を却下されるという出来事があった。この作品は、逆さまにした便器に「R.Mutt」と署名されただけのものであり、トイレに置かれていれば美術品としての価値を見出されることは当然あり得ないような作品である。1952年にはジョン・ケージ(1912-1992)の作曲作品《4分33秒》がニューヨーク州ウッドストックにて初演される。ご存知の通り、この曲は三つの楽章全てに「休符」が書かれており、演奏時間である4分33秒の間、演奏者は音を一切出さない「無音」の音楽だ。これらの作品は、「美術・音楽とは何か」を問いかけ、既存の芸術を挑発しているのだが、近年の現代芸術と呼ばれるものの中には、無意味で美しさの感じられない作品であっても、コンセプトらしき理屈を付ければそれは「芸術」になるという安直な流れが感じられる。またその理屈が難解かつ無意味であるがため、現代芸術、いや、主に現代音楽はアカデミアとして大学などの研究機関の外ではあまり必要とされなくなっているのではないだろうか?

 

 現代音楽にコンセプトは必要だ(逆説的ではあるが、コンセプトがない、というのもまたコンセプトである)。ただ、多くの方が現代音楽を楽しむことができない理由に、「理屈ありき」の音楽の存在があり、それらが人を感動させることはできないからだと私は考える。現代音楽を作る側もその現状を受け入れてしまい、自分たちの作っている作品の「良さ」を外に向かって発信する機会を逃している。事実、若手作曲家が主催する演奏会は、身内や知り合いばかりが集まる「発表会」に成り下がっていることが少なくない。私も、まだ未熟ながら現代音楽を作曲する者として、理屈やコンセプトありきの音楽ばかり作曲してきたし、今後もそれを続けていくつもりである。ただし、自身の音楽を世界に提示する以上は、客層を限定するのではなく、より多くの方々に自作品の「ポイント」を伝えつつ、コンセプトを丁寧に、わかりやすく説明することが求められていると自負している。

 

 昨年6月、両国門天ホールにて開催された第一回清水チャートリー作曲個展「Spatiotemporal Composition Works」は、よく「理解不能なもの」として認識されている現代音楽を、より多くの人に少しでも身近なものとして感じてもらえるよう、「オープンな音楽空間」をコンセプトとして企画、開催させていただいた。幅広い方々に楽しんでもらえるよう、プログラムを日英バイリンガルで制作し、音楽用語などの解説を載せた用語集も用意させてもらった。また、視覚・聴覚両方を同時に体験できるインスタレーションブースを設置。多くの方々から好評をいただいたとともに、よりオープンな音楽空間を提示するための貴重なご意見もいただいた。私の二回目の作曲個展となる当演奏会では、昨年に引き続き、様々な層の方々に、現代音楽を楽しんでもらえる工夫を施し、まだまだ主流ではない「オープンな音楽空間」を提示したい。

廣永瞬(Cb.)と橋村あいによる《四季と雲海III》(2015)

Percussion Duo Echoによる《不能の哲学》(2014)

Percussion Duo Echoとゲスト・パフォーマーたちによる《ミミヲフサゲ!》(2015)

協賛/助成: ジャパン・パーカッションセンター (JPC)KOROGI、国立音楽大学打楽器研究室、青稜高等学校